【書評・感想】『謎の香りはパン屋から』(土屋うさぎ)はパン好きとミステリ好きが両方ハッピーになれる優しい一冊だった


こんにちは、キリュウです。
今回は、『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2025年年間ベストセラー第3位(単行本 文芸書/フィクション)にも輝いた話題作、土屋うさぎ先生の『謎の香りはパン屋から』を読み終えたので、その感想とレビューをまとめておきます。
シリーズ累計35万部突破の人気作で、装画は出水ぽすか先生。表紙を見た瞬間に「あ、これは絶対好きなやつだ」と確信して手に取った一冊でした。
そして個人的な大ニュースとして、2026年5月16日(土)に紀伊國屋書店梅田本店で開催される土屋うさぎ先生のサイン会にも参加予定です。整理券もちゃんとゲットしました(整理番号0029、集合13:45)。気合十分です。
それでは早速、本作の魅力を語っていきます。
『謎の香りはパン屋から』ってどんな小説?
舞台は大阪府豊中市にあるベーカリー「Nostimo(ノスティモ)」。主人公は店員の市倉小春(いちくら こはる)。お店にやって来るお客さんが持ち込む、ちょっとした「日常の謎」を、焼きたてのパンと一緒に解きほぐしていく――そんなベーカリー×日常ミステリ作品です。
ジャンルとしては、北村薫さんや米澤穂信さんの「日常の謎」系列の系譜にあるイメージ。人が死なない・血が出ない・誰も傷つかない、優しい世界観のミステリです。
キリュウ的『謎の香りはパン屋から』レビュー
① パンの描写が反則。読みながら絶対お腹が空く
まずこれは声を大にして言いたい。読んでいると確実にパンが食べたくなります。
クロワッサン、フランスパン、シナモンロール、チョココロネ、カレーパン……ページをめくるたびに焼きたての香りが漂ってくるような描写の連続で、深夜に読むのは正直危険です(私は読みながらコンビニに走りました)。
ただ「美味しそう」というだけじゃなく、パンの種類ごとに違う「音」「色」「重み」「裂けかた」まで丁寧に書き分けられているのがすごい。土屋先生、絶対パンが大好きですよね?
② 殺人事件が起こらない、優しい日常ミステリ
ミステリって読みたい気分の時と、ちょっと重すぎて手が伸びない気分の時がありませんか? 本作は完全に後者でも安心して読める作品です。
死体が転がらない、犯人が誰かを疑わなくていい、後味が悪くならない。 それでも「えっ、そういうこと!?」というちゃんとした驚きがある。「ミステリ=物騒」というイメージを裏切ってくれる、本当に優しいミステリです。
家族や友達にも安心しておすすめできるタイプの作品なので、「最近ちょっと心が疲れてるな」という人にこそ刺さると思います。
③ 神戸市民として、舞台が豊中市なのが嬉しい
これは完全に個人的な話なのですが、ボクは神戸市在住なので、舞台が大阪の豊中市というだけでめちゃくちゃ親近感が湧きました。
阪急沿線の空気感、関西弁のテンポ、ちょっとした地名の出方……「あ、わかる、この感じ」と頷きながら読める瞬間が何度もあって、関西在住の読者なら間違いなくニヤッとできるはず。
逆に関西以外の方が読むと、「Nostimoみたいなパン屋、近所にもないかな?」と豊中まで足を伸ばしたくなるかもしれません(聖地巡礼候補)。
④ 主人公・市倉小春が謎を解いた瞬間の描写が好きすぎる
本作で個人的にいちばん好きなポイント。それは小春ちゃんが謎を解いた瞬間の描写です。
その瞬間、焼きあがったパンのように、頭の中で描いていた思考が一気に膨らんだ。
これですよ、これ。パン屋を舞台にしているからこそ生きる比喩が、推理が決まる瞬間にスッと入ってくる。「ピンときた!」とか「点と点がつながった!」みたいな手垢のついた表現じゃなくて、**「焼きあがったパンのように膨らんだ」**って言われると、もう完全にこの作品の世界に取り込まれます。
土屋先生、こういう一文の積み重ねが本当に上手い。
こんな人におすすめ
- パンが好きな人(最重要)
- 重すぎない、優しいミステリが読みたい人
- 北村薫・米澤穂信などの「日常の謎」系が好きな人
- 関西、特に阪急沿線が舞台の作品が好きな人
- 出水ぽすか先生のイラストが好きな人
逆に、ハードボイルド・本格殺人ミステリでガッツリ謎解きしたい!という気分のときには物足りなく感じるかもしれません。あくまで「ほっこり×推理」を楽しむ作品です。
2026年5月16日(土) 紀伊國屋書店梅田本店サイン会に行ってきます
冒頭でも書いた通り、2026年5月16日(土)に紀伊國屋書店梅田本店で開催される土屋うさぎ先生のサイン会に参加してきます。
- 日時:2026年5月16日(土)
- 集合時間:13:45
- 場所:2番カウンター横 特設会場
- 整理番号:0029
対象書籍は『謎の香りはパン屋から 2』(宝島社)。整理券をお持ちの方のみ参加可能ということで、購入特典の整理券もしっかり保管中です。
サイン会のレポートは、後日改めて記事にまとめる予定なので、当ブログをチェックしていただけたら嬉しいです。
まとめ:『謎の香りはパン屋から』は「ご褒美読書」にちょうどいい
『謎の香りはパン屋から』は、
- パンの描写で五感が刺激される
- 物騒じゃない、優しい日常ミステリ
- 関西(豊中)が舞台で親近感が湧く
- 推理が決まる瞬間の比喩が美しい
という、「読み終わったあと、ちょっと人生が良くなる」タイプの一冊でした。
シリーズ累計35万部、年間ベストセラー第3位というのも納得の完成度。土屋うさぎ先生、これからもずっと追いかけたい作家さんです。
サイン会で直接お礼を伝えられるのが、今からとても楽しみ。当日は『謎の香りはパン屋から 2』を握りしめて、紀伊國屋書店梅田本店に向かいます。
それでは、また。
— キリュウ
書誌情報
- タイトル:謎の香りはパン屋から
- 著者:土屋うさぎ
- 装画:出水ぽすか
- 出版社:宝島社
- 受賞:『このミステリーがすごい!』大賞 大賞受賞作
- シリーズ累計:35万部突破
- 2025年 年間ベストセラー 単行本 文芸書 第3位(トーハン調べ)/単行本 フィクション(日販調べ)













